埼玉県消費者団体連絡会は、埼玉県から委託され、地域社会における消費者問題解決力の強化を図ることを目的として、地域で活動する県内消費者団体を対象に消費者問題への関心を高める研修会を開催しています。1月30日(金)、埼玉会館会議室およびオンラインで、県内消費者団体研修会②「認知症と難聴」を開催、会場35人、Zoom34人、計69人が参加しました。
講師を、医療生協さいたま生活協同組合 埼玉協同病院総合サポートセンター 認知症看護認定看護師の相馬 千加子さんにお願いしました。

認知症看護認定看護師 相馬千加子さん
参加:16団体69人(埼玉県地域婦人会連合会、新日本婦人の会、埼玉母親大会連絡会、埼玉県生活協同組合連合会、埼玉公団住宅自治会協議会、さいたま市消費者団体連絡会、埼玉消費者被害をなくす会、コープみらい、パルシステム埼玉、医療生協さいたま、さいたま住宅生協、コープデリ連合会、加須市くらしの会、久喜市くらしの会、伊奈町くらしの会、埼玉県消費者団体連絡会、一般)
はじめに、講師の相馬千加子さんから、難聴は耳のどこに原因があるのか(「伝音難聴」「感音難聴」なのか)確認が必要で、難聴を放置すると、認知症リスクが上昇、コミュ二ケーション困難を招くため、早めに耳鼻咽喉科を受診したほうがいいとの話がありました。また、加齢に伴う聴力変化はだれにもあることで、一般に低音より高音のほうが聴力の低下が早く、男性のほうが女性より早く聴力が低下するといわれているとのことです。
聴力低下につながるリスク因子として、「遺伝的要因」「労働環境」「薬剤」「栄養の偏り」を挙げ、中でも一番の危険因子は音響暴露であり、その害は時間と音量の掛け算で考え、短時間で大音量、音量小さくても長時間だと、聴力が低下するとのことでした。そのため、ヘッドフォンやイヤホンを使うときは、1時間に1回、10分間の休憩をとるようにと話されました。
また、全身的な「健康」が耳の「健康」につながること、難聴がもたらす影響として「自信の喪失」「社会的な孤立」「うつ状態」を挙げ、認知症のリスク因子の中で、対策可能なことで最も影響が大きいのが「難聴」であると話されました。軽度の難聴でリスクが約2倍、重度の難聴では最大5倍に上昇するとも言われました。
難聴が認知症のリスクを高める理由として、音の刺激が減ると音を処理する脳の領域が使われず、脳の萎縮や神経細胞の衰えにつながり、さらには聞こえにくさから会話がおっくうになり、人との交流が減ることで、社会的に孤立してしまう、孤立や抑うつ状態になることも認知症のリスクを高めるとのことです。
難聴によって認知症にならないために、高齢者であっても、放置せず受診することで、補聴器などできちんと対応することが必要、さらにこころの運動、社会とのつながり、好奇心を持ち続けることの大切さに触れられました。
質疑応答の時間には、多くの質問が寄せられ、ていねいにお答えいただきました。
【参加者の声】
認知症は脳の動きだけでなくこころの運動、交流なども深く関わる/聞こえの悪さは、年寄りだから当たり前と受け止めていたが、本人の日々の生活や心の健康に大きく関わる重大な事案だと知った/全身的な「健康」が耳の「健康」につながる/好奇心を持ち続ける。補聴器は絶対いやと思っていたが今日のお話で変わった。早めに受診します/「人と交流し会話することは、実は大変高度な知的機能を用いている」ことにあらためて気づいた