クレちほ 第22回シンポジウム in埼玉 『地方消費者行政、次のステップは地域連携!!』がさいたま市で開催されました

 クレジット被害対策・地方消費者行政充実全国会議(クレちほ)の第22回地方消費者行政充実シンポジウムが全国から弁護士、司法書士など法曹関係者、消費生活相談員、行政関係者など63人が参加して4月20日、さいたま市浦和区の埼玉教育会館で開かれました。

 シンポジウムは、3月に地域連携のしくみ作りに関する消費者安全法改正案が国会に上程されたこと、4月、消費者庁消費者教育推進会議の取りまとめ公表を受けて開催されました。

 冒頭、開会挨拶に立った代表幹事の釜井英法弁護士は、「消費者安全法が改正される状況になって来ており、地方消費者行政をどう充実させるか、消費者関連予算が低減傾向にある中、地方での消費者行政充実を作り上げていくために、行政と住民でネットワークを作っていくこと、地域連携のイメージを作り、国や行政に生かしていくことが必要ではないか」と呼びかけました。

開会挨拶する釜井英法代表幹事

  第1部クレジット被害をめぐる報告では、埼玉県消費生活支援センター堀口忠芳氏より「クレジット等に関する相談事例の報告」として埼玉県の平成25年度消費生活相談状況が報告された他、サクラサイト詐欺被害弁護団より被害に対する取り組み状況の報告、クレジットカード・リースに関する裁判例の報告があり、松苗弘幸弁護士(埼玉弁護士会)より、クレジットカード被害防止のための方策として、クレジットカード取引の適正化について提言が報告されました。

埼玉県消費生活支援センター 堀口忠芳氏 サクラサイト詐欺被害弁護団 中村弘毅弁護士
澤田仁史弁護士(千葉県弁護士会) 松苗弘幸弁護士(埼玉弁護士会)

 多重債務・生活再建問題をテーマとした第2部では、行政の多重債務対策の充実を求める全国会議の青山定聖弁護士より「多重債務問題と地方自治体の役割」として、行政による多重債務対策の必要性と地方自治体への期待が述べられました。

 また、常岡久寿雄弁護士(千葉県弁護士会)からは、生活再建支援取り組みの現状と課題が報告されました。この中で常岡弁護士は、生活困窮者自立支援法が平成27年4月から本格実施されることについて触れ、貧困、病気等、根本の問題があり、一人では限界があること、相談窓口を設けていくことは画期的だが、行政窓口を要として地域の連携を作っていくことが必要と述べました。

 埼玉奨学金問題ネットワークの鴨田 譲弁護士(埼玉弁護士会)は、延滞者が増加している奨学金問題について、増加の背景と被害が構造的に生み出されていることを指摘し、貸与型奨学金のしくみが過剰与信としてクレジット被害と同様の問題と述べました。

 第3部は、一昨年、消費者教育推進法が成立したのに続き、今国会で消費者安全確保のため改正が検討されている「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する等の法律案(消費者安全法)」について、消費者庁地方協力課の中村明恵課長補佐より説明を受け、これからの地方消費者行政の充実に向けて、地域連携の課題について深めるものとなりました。行政から埼玉県、さいたま市の消費者行政の取り組みが報告され、埼玉、東京、宮城、千葉、宮崎ほか各地から地域連携強化への取り組みが報告され、交流しました。

消費者庁 中村明恵課長補佐
取り組み課題を述べる池本誠司代表幹事 千葉の取り組みを報告する拝師徳彦弁護士
埼玉県の取り組み報告 埼玉県 岩崎俊雄氏 さいたま市の取り組み報告
さいたま市消費生活総合センター小池亮太郎所長

 今回のシンポジウム開催にあたって、埼玉県消費者団体連絡会と消費者行政充実埼玉会議は、シンポジウム後援団体として、開催に協力しました。